宝島社文庫
疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション
狂気と享楽の世界に耽溺する――
10の名作が誘う、底なし沼へようこそ
(あらすじ)
山上の神社へ肝試しに訪れた、美しい少年士官が出逢った不可思議な出来事とは。(泉鏡花「妙の宮」) 病気療養中の少女には、女学園の後輩であり恋人の少女がいた。ある日、恋人が密室殺人事件に巻き込まれ――。(小栗虫太郎「方子と末起」) 下宿先の住人は皆奇妙な行動をする。(坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」) 10名の文豪の名作が集った、耽美と幻想の世界に溺れる一冊。
<収録作品>
江戸川乱歩「鏡地獄」/谷崎潤一郎「人魚の嘆き」/小栗虫太郎「方子と末起」/泉鏡花「妙の宮」/木下杢太郎「少年の死」/坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」/夢野久作「死後の恋」/芥川龍之介「疑惑」/小川未明「百合の花」/中島敦「文字禍」
※本書に収録した作品には、今日の観点からすると不適切な用語・表現が含まれている場合があります。しかしながら、作品が書かれた時代背景などを考慮し、また、著者が差別的な意図をもって使用したのではないと判断し、発表時のままとしました(編集部)
【あわせ買い時の配送について】
予約商品と他商品を同時にお求めの場合、最も発売日の遅い商品に合わせての一括配送となります。
ご注意ください。別々の配送をご希望の場合は、お手数をおかけしますが、それぞれ個別にお買い求めください。
芥川 龍之介(あくたがわ りゅうのすけ) プロフィール
1892年、東京生まれ。東京帝国大学在学中に、菊池寛らとともに「新思潮」を創刊。代表作に『羅生門』『芋粥』『地獄変』など。1927年死去。
泉 鏡花(いずみ きょうか) プロフィール
1873年、石川県生まれ。尾崎紅葉に弟子入りし、書生生活を続けた後、京都日出新聞の連載『冠弥左衛門』でデビュー。代表作に『夜行巡查』『外科室』『高野聖』など。1939年死去。
江戸川 乱歩(えどがわ らんぽ) プロフィール
1894年、三重県生まれ。早稲田大学卒。1923年、雑誌「新青年」に『二銭銅貨』が掲載されデビュー。代表作に「怪人二十面相」シリーズ、『D坂の殺人事件』『人間椅子』など。1965年死去。
小川 未明(おがわ みめい) プロフィール
1882年、新潟県生まれ。東京専門学校在学中に坪内逍遙や島村抱月から指導を受け、1904年に『漂浪児』を雑誌「新小説」に発表。代表作に『赤い蝋燭と人魚』『月夜と眼鏡』など。1961年死去。
小栗 虫太郎(おぐり むしたろう) プロフィール
1901年、東京生まれ。1933年、『完全犯罪』を執筆し雑誌「新青年」に原稿を持ち込み作家デビュー。代表作に『黒死館殺人事件』『人外魔境』など。1946年死去。
木下 杢太郎(きのした もくたろう) プロフィール
1885年、静岡県生まれ。1906年、東京帝国大学医科大学に進学し、医学を学ぶ一方で、与謝野鉄幹主宰の機関誌「明星」の同人となり、詩や小説を発表。卒業後も医学者として各地の大学教授を歴任しながら創作活動を続けた。1945年死去。
坂口 安吾(さかぐち あんご) プロフィール
1906年、新潟県生まれ。東洋大学卒。1930年、同人誌「言葉」を創刊。代表作に『堕落論』『白痴』『桜の森の満開の下』など。1955年死去。
谷崎 潤一郎(たにざき じゅんいちろう) プロフィール
1886年、東京生まれ。東京帝国大学在学中に『刺青』を発表。以降、耽美主義の作家として活躍。代表作に『痴人の愛』『卍』『春琴抄』『細雪』など。1965年死去。
中島 敦(なかじま あつし) プロフィール
1909年、東京生まれ。東京帝国大学卒。横浜高等女学校に教員として勤務しながら執筆を続け、1942年に『古譚』(『山月記』と『文字禍』)を雑誌「文學界」に発表し作家デビュー。他の代表作に『李陵』など。1942年死去。
夢野 久作(ゆめの きゅうさく) プロフィール
1889年、福岡県生まれ。新聞記者や童話の執筆などを経て、雑誌「新青年」に『あやかしの鼓』を応募しデビュー。代表作に『瓶詰の地獄』『ドグラ・マグラ』『少女地獄』など。1936年死去。