歴史を変えてきたのは疫病だった!
藤原四子から孝明天皇の死まで
時代のキーマンを葬った天然痘
黒田官兵衛、前田利長、結城秀康など
戦国大名を襲った梅毒
疫病=感染症は
日本史のキー・ファクター
孝明天皇の死は細菌テロだった!? ………天然痘
黒田官兵衛を「暴走」させた原因? ………梅毒
江戸の治水技術がパンデミックを防いだ? ………コレラ
感染症並みの致死率で森鷗外の判断を誤らせた………脚気
高杉晋作から正岡子規まで近代著名人を死に至らしめた………結核
コロナ第二波到来の教訓となるか………スペイン風邪
新型コロナウイルスの感染拡大は、日本人が初めて経験するパンデミックではない。歴史上、海外からもたらされた疫病=感染症によって多くの人命は奪われ、その教訓をもとに、日本の宗教、文化、政治、外交方針が形成された。つまり、疫病によって日本の歴史が形作られてきたと言っても過言ではない。史料から得た情報だけでは見逃してしまう疫病の日本史。そこから見えてくる歴史の“実像”に二人の論客が迫る。
本郷 和人(ほんごう かずと) プロフィール
1960年、東京都生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学史料編纂所教授。専門は日本中世政治史。特に院政期から南北朝期にかけての政治構造や、貴族・武士の権力関係の変遷を中心に研究を重ねる。膨大な史料に基づいた実証と、現代的な視点を交えたわかりやすい通説批判に定評がある。近年はテレビや書籍などでも積極的に日本史の魅力を伝えており、多くの著書がある。主な著書に『変わる日本史の通説と教科書』(宝島社)、『日本史のツボ』『日本史を疑え』(ともに文藝春秋)などがある。
井沢 元彦(いざわ もとひこ) プロフィール
作家。1954年2月、愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、TBSに入社。報道局社会部記者時代の1980年に『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。「逆説の日本史」シリーズは単行本・文庫本・ビジュアル版で累計572万部超のベスト&ロングセラーとなっている。現在、YouTubeで動画『井沢元彦の逆説チャンネル』を配信中。